丸山くんの粕汁
すっかり定番になった丸山くんの粕汁。
初めてメディアに登場したのは2011年、ワイルド7の宣伝で出演していた、はなまるマーケットだったと思う。
お母様直伝の粕汁、大根、にんじん、豚肉、ちくわ、油揚げを出汁で煮込んで、酒粕をとき入れ味噌で味を調えたものと紹介され、丸山くん自身が料理する映像も流れた。
東京の生活が長くなると実家に帰って粕汁を食べる機会が少ないので、自分で作れるようになっていた方が良いかなって。
恋しくなった時にぱっと作れるように。つい最近覚えたばっかり。
切り方だったり分量とかもお母さんに教えてもらった。二回目です、今日作ったの。
まだ料理を始めたばかりだからか、大根の切り方がちょっと危なっかしい。
お味は酒粕が効いて優しいと好評。二回目にして番組で出すなんて‥と不安がっていた丸山くんも、美味しいと言ってもらって良かったと安堵した様子だった。
故郷の母の味が恋しくて、粕汁を作ろうと思ったことが、丸山くんが料理を始めるきっかけになったのね。
2012年、ほほえみデート。
ライブDVD8EST初回限定盤Bの特典映像。
季節外れでごめんね
俺はこれしか作れへんけど一生懸命作るから
食材の買い出しを済ませ、汗をかきかき粕汁と錦戸くんの好物の明太子入り卵焼きをつくる丸山くん。
それを食べた錦戸くんの感想は、
オレ、初めてやんな
すごいやん、すごいやん、すごいやん、すごいやん
これ(卵焼き)も作ったん? こげてへんやん、すごいやん
こんな出来ると思ってなかった
うわぁ冬の味やな、めっちゃ美味い
美味い 美味い
すごいやんと美味いを面白いくらいに連発する。本当に美味くて嬉しかったんだろうな。丸山くんはといえば、まるで好きな人に初めての手料理を振る舞ってドキドキしている乙女のよう。
そんな二人を見ていたら、ほほえまずにはいられない。
スタジオでVTRを見ていたメンバーも、愛情たっぷりやなあと感心しきり。
このとき錦戸くんからは、あの名曲“いっこにこにこ”が生まれる。久しぶりに見たら、感極まって泣けちゃった。
2014年、24時間共同生活。
JUKE BOX初回限定盤。
24時間に渡る罰ゲームを終えようとしているメンバーのため、丸山かあさんが腕をふるう。朝食におにぎりと粕汁。豚肉ではなく鮭を使っている。
冷たい空気の中で粕汁であったまってもらえたらなって思うんです。
優しい丸山かあさん。
さて、子どもたちの反応は?
これ、あれちゃうん
粕汁?
まる作ったん?ほんまに作ったん?すげぇ伝説の
俺、初めてのむわ
ありがとうおかあさん
おかわりいっぱいあるから
ほんまに美味い
なにこれめっちゃ美味い
素でしみるなあ
優しさたっぷりの粕汁にご満悦。朝から粕汁をつくってくれるかあさん、良いね、ほっこりする。
同じく2014年、トーキョーライブ24時。
手作りの粕汁をわざわざテレビ局まで届けて差し入れる丸山くん。スタジオでは無くパネルでの出演。
直ぐに丸山くんの粕汁だと分かる安田くんがとても嬉しそう。癒やされたかな。
2017年、人生最高のレストラン。
同局で始まるペコジャニ∞の宣伝に、代表で丸山くんが出演していた。
自宅の冷蔵庫に貼ってあるという、お母様手書きのレシピが登場する。
帰らなきゃ食べられないって、寂しいなと思って。自分でも作れたら、いつでも家の味が食べられるし、実家に帰ったような気持になるというか。ひとつの、自分をリセットしてくれる神聖なものだと思ってるんです。
丸山隆平のおいしいものとは?
また明日一歩頑張れるための、エネルギーの源ですかね。この一食は次また帰ってくる一食じゃないじゃないですか。時間と一緒で。だからその瞬間をベストで楽しみたい。
一食一食にこだわり食べることを大切にする、丸山くんの食への向き合い方が伺える。
この番組でdancyu好きを明言したことが、後々サタプラを通して植野編集長との交流につながっていくのかな。
もう少し前の、ぬ〜べ〜の番宣で出演したおしゃれイズムでも、dancyuの表紙が良いとかなんとか言ってたこともあったかな。
2019年、満を持してdancyuの連載開始。
丸山隆平の美味しいってなんだろう?
第一回 胃袋のホームシック
原点の味は母親がつくってくれた粕汁です。
いつから美味しいと思うようになったのか、自分でもわからないくらい、当り前の、日常の料理でした。
東京に出てきてからですね、自分にとっての特別な料理だと感じたのは。
無性に食べたくなるときがあって、そんなときは自分でつくります。母親に書いてもらったレシピを冷蔵庫に貼っています。
大根、にんじん、糸こんにゃく、油揚げ、豚肉、ちくわを煮て、酒粕を入れ、合わせ味噌で味を調える。
粕汁をつくっていると、落ち着くような気がするし、東京にいても故郷に戻った感じがします。ストーリーや思い出なども含めた何かが、美味しさにつながるのでしょうね。
東京で生活している僕にとっては、胃袋のホームシックをなだめてくれる、大切な料理なんです。
それなりに美味しいものはできますが、母親のものとは微妙に味わいが異なる。僕がつくったのでは出せない美味しさがあるんです。
すっかりつくりなれた感のある粕汁。お母様に書いてもらったレシピも、折り目のところが裂けている。
丸山くん自身が故郷へ思いを馳せ、自分をリセットするための料理でもあり、何かの折に、仲間へのお疲れ様やありがとうを込めてふるまう料理でもあり。
これからも、抱える思いを変えながら、一緒に食べる人を変えながら、丸山くんの人生に懐かしい粕汁があり続けるのでしょう。