丸山くんのベース道〜丸の大切な日とananと〜
《今朝、部屋でお相手してくれた子》
《今日はこの子。弾き比べてタイプは?みたいなことで出会った一本》
《今朝はこの子。この子もいい子。朝から褒め殺して、弾いたのさ》
《最近のお気に入りちゃん。良い色してるでしょ?》
《もっと上達して、この子達に見合う男にならなきゃな》
まるで、愛しい想い人の話でもしているように連日綴られる、丸の大切な日。
どうやら丸山くんは、朝ベースを日課にしたらしい。
撮る・撮られるって、ベッドインしているようなもの。音楽のセッションもそう。これ!っていう感覚とかライブ感が生まれると楽しい。
ananでこんな話をしていたものだから、ベースを女性に変換して、なんやかんや想像するのも容易くて、写真に映り込むカーテンやベースを掻き抱く腕も、一層、想像力を掻き立てる。
わざとなのかしらね。だとしたら、まんまと乗せられて喜んでしまっている。
そんな言葉遊びみたいな文面の向こう側に、楽しみながらも、真面目に、真摯に、心を打ち込んでベースに励む丸山くんが居る。
《楽器って知れば知るほど面白い》
《こう言うのが、追求してみたいって欲求なんやな》
《楽器って、奥が深い》
《もっと上手くなりたい。小手先じゃなくて、本当の意味で》
《今までにない場所に踏み入れてみたくなった》
《まだまだその先なんて、めちゃめちゃめちゃある》
暗闇を手探りで進むのではなく、光が指すその先に、まだ見ぬ新しい世界が必ずあることを知っている、だから進むんだという強い意志が伺える。
丸山くんはどんな人が好きか。
こういうことを俺はやりたい!って叫んでいるような人。色っぽいしね。
丸山くん自身が語っていたように、今の彼はとても色っぽいと思う。
若いというだけで、儚くもキラキラと眩しい美しさは、影を潜めてきたかもしれないけれど、35歳の大人の経験と自信から滲み出る、凛とした美しさを感じるようになった。
僕自身、グループや自分というフィルターを通して、できるだけそういようとしてるから、バンドの時はそんな気持ちが素直な音として出るのかも。
前は楽器を弾きながらもニコニコしたり手を振ったりしてたけど、楽器や音楽の難しさを知れば知るほど、シンプルに弾くようになって何もしなくなった。ちゃんとした音を、聴いてくれる人にちゃんと届ければ、それで十分なんかなって。
音を届ける。すごく嬉しい言葉だった。
丸山くんから発せられる音を聴きたい、感じたい、そう思う気持ちは日々強くなっている。
関ジャムがあることで、その機会は格段に増えたものの、やっぱり関ジャニ∞の中で聴きたいなという気持ちは強く、初披露のcrystalで丸山くんの音が聴けなかったことは残念だった。
番組側の事情は理解できるけれど、他のバンドと違うのは、音源そのものが関ジャニ∞の音ではないことが殆どだということ。
だからこそ、テレビでも極力、生演奏にこだわっているのかなとも思っている。生の空気感を大切にしているとか、本人たちが楽しいというのもあるだろうけれど。
《最後は生じゃなくて半熟やったな》
すぐに、丸山くんが自ら触れてくれたんだと思った。
ジャニーズという華やかな世界で、歌い踊りパフォーマンスすることにプライドを持っている。同時に、バンドでは生の音を届けたいと思っているんだよ、という気概を感じて、ほっとした。
前日からのモヤモヤも、丸山くんの言葉ひとつで立ち直るなんて、我ながら単純。
全部なんて忙しくて到底無理なことは言わないから、6人で演奏したシングルを1曲、そろそろ発売しても良いんじゃないかな。
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ここまで書いていたところで、ジャニーさんの訃報が届き、夜になって、丸の大切な日が更新された。
丸山くんが悲しみを前に揺れている。その存在が大きければ大きいほど、受け止めるのに時間がかかるだろう。
それでも、変わらないワクワクとドキドキを約束してくれる。
丸山くんが楽しいと思うことを、やりたいと思う道を極めて行ってほしい。それを見せてもらえることが、私のワクワクとドキドキになるから。